2018年09月02日
その244 人間のタイプ
仲弓、子桑伯子(しそうはくし)を問う。子曰わく、可なり、簡なり。仲弓(ちゅうきゅう)曰く、敬に居て簡(かん)を行い、以てその民に臨まば、亦可ならずや。簡に居て簡を行うは、乃(すなわ)ち大簡なること無からんや。子曰わく、雍(よう)の言然り。
【筆者意訳】仲弓が子桑伯子という人物について尋ねた。孔子は、「まあ良い人物だ。こせこせしないところがいい」と答えた。仲弓は、「自らは身を慎んで、人民には大まかな態度で臨むのならいいでしょうが、自分には甘く、人民に対しても大まかでは、大雑把過ぎて締まりがなくなってしまうのではないでしょうか」と尋ねた。孔子は、「雍の言うことはもっともだ」と答えた。
【ひとこと】この章句は、『論語』雍也編に出てきます。昨日に続き、弟子の仲弓にまつわる言葉です。
「子桑伯子」(詳細不肖)という為政者の人物評を仲弓が孔子に尋ね、自分の意見も言っているところです。
孔子は、”こせこせしていない人物だ”と好意的に評価をしているのですが、仲弓は”自分自身にも人民にも大雑把すぎる”と手厳しく評価しています。孔子は、”その通りだな”と認めざるを得ませんでした。孔子が一本取られた形ですね。このようなところがあって、孔子は仲弓を買っていたのではないかと思います。
「簡」という言葉を、ここでは「大まか」と訳しました。似たような意味を持つ言葉に、「おおらか」というのがありますが、少しニュアンスが異なります。「おおらか」は心が広くゆったりしている様、つまり人柄を表すのに対して、「大まか」は大雑把に事を済ませる様、つまり性格や行為を表します。ここでは「大まか」が適切だと判断しました。
仲弓流に人間を分類すると、四つのタイプに分かれます。
①簡に居て敬を行う(自分に甘く、人に厳しい)。これは最も嫌われるタイプですね。零細企業などの小さな組織のトップに時々見かける、謂わば、お山の大将タイプです。
②簡に居て簡を行う(自分に甘く、人に寛大)。このタイプの人は組織の統制が出来ません。人当たりがいいので嫌われることはありませんが、自分に甘いので人にも強く言えません。結果仲良しクラブのゆるゆる組織になります。
③敬に居て敬を行う(自分に厳しく、人にも厳しい)。このタイプの人を上司に持つと鍛えられますね。ただ部下から見ると窮屈かもしれません。このタイプで情がある人は良いリーダーになるでしょう。薄情なのは駄目ですね。
④敬に居て簡を行う(自分に厳しく、人には寛大)。最も好ましいタイプです。理想的な上司になれるタイプですね。
自分はどのタイプに当てはまるのか。これを機会に考えてみるのもいいかもしれません。
【筆者意訳】仲弓が子桑伯子という人物について尋ねた。孔子は、「まあ良い人物だ。こせこせしないところがいい」と答えた。仲弓は、「自らは身を慎んで、人民には大まかな態度で臨むのならいいでしょうが、自分には甘く、人民に対しても大まかでは、大雑把過ぎて締まりがなくなってしまうのではないでしょうか」と尋ねた。孔子は、「雍の言うことはもっともだ」と答えた。
【ひとこと】この章句は、『論語』雍也編に出てきます。昨日に続き、弟子の仲弓にまつわる言葉です。
「子桑伯子」(詳細不肖)という為政者の人物評を仲弓が孔子に尋ね、自分の意見も言っているところです。
孔子は、”こせこせしていない人物だ”と好意的に評価をしているのですが、仲弓は”自分自身にも人民にも大雑把すぎる”と手厳しく評価しています。孔子は、”その通りだな”と認めざるを得ませんでした。孔子が一本取られた形ですね。このようなところがあって、孔子は仲弓を買っていたのではないかと思います。
「簡」という言葉を、ここでは「大まか」と訳しました。似たような意味を持つ言葉に、「おおらか」というのがありますが、少しニュアンスが異なります。「おおらか」は心が広くゆったりしている様、つまり人柄を表すのに対して、「大まか」は大雑把に事を済ませる様、つまり性格や行為を表します。ここでは「大まか」が適切だと判断しました。
仲弓流に人間を分類すると、四つのタイプに分かれます。
①簡に居て敬を行う(自分に甘く、人に厳しい)。これは最も嫌われるタイプですね。零細企業などの小さな組織のトップに時々見かける、謂わば、お山の大将タイプです。
②簡に居て簡を行う(自分に甘く、人に寛大)。このタイプの人は組織の統制が出来ません。人当たりがいいので嫌われることはありませんが、自分に甘いので人にも強く言えません。結果仲良しクラブのゆるゆる組織になります。
③敬に居て敬を行う(自分に厳しく、人にも厳しい)。このタイプの人を上司に持つと鍛えられますね。ただ部下から見ると窮屈かもしれません。このタイプで情がある人は良いリーダーになるでしょう。薄情なのは駄目ですね。
④敬に居て簡を行う(自分に厳しく、人には寛大)。最も好ましいタイプです。理想的な上司になれるタイプですね。
自分はどのタイプに当てはまるのか。これを機会に考えてみるのもいいかもしれません。
その405 「仁」の概念
その404 人間の価値は努力で決まる
その378 孔子のスキャンダル?
その340 「仁」は出来るところから
その339 敬遠
その307 かっこいい男・孟子反(もうしはん)
その404 人間の価値は努力で決まる
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その340 「仁」は出来るところから
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Posted by 知好楽 at 08:23│Comments(0)
│論語/雍也編