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2019年03月06日

その423 子貢の働き(その1)

衛の公孫朝(こうそんちょう)、子貢に問いて曰く、仲尼(ちゅうじ)焉(いずく)にか学べる。子貢曰く、文武の道、未だ地に墜ちずして人に在り。賢者はその大なる者を識り、不賢者はその小なる者を識る。文武の道あらざること莫(な)し。夫子焉にか学ばざらん、而して亦(また)何の常師(じょうし)かこれ有らん。

【筆者意訳】衛国の公孫朝(こうそんちょう)が、子貢に、「仲尼(孔子のこと)は誰に学んだのですか?」と聞いた。子貢は、「周の文王・武王の教えは、いまでも人々の心に残っています。その中から賢者は国を治める心得を学び、不賢者も日常生活の心得を学んでいます。文王・武王の教えは天下のどこにでも残っているのです。ですから先生は、どこでも誰からでも学ばれました。これといって決まった師がいたわけではありません。」と答えた。

【ひとこと】この章句は、『論語』子張編に出てきます。
孔子の死後、子貢は孔子の偉大さや残した業績の大きさを、世に語って回ったと言われています。孔子の教えは、後に「儒教」として広まり発展していきますが、その背景には、このような子貢の働きがあったと言われています。今日、明日の2回に渡って、子貢の働きを見ていきたいと思います。

公孫朝(こうそんちょう)という人物の問いかけに、子貢は、孔子の「偉大な学びの生涯」を語っています。
孔子は特定の師匠を持つことはなく、周の礼制や音楽などを理想として掲げながら、各地のあらゆる場所で、自分の知見と徳性を磨いていったのです。孔子の学問の師は、周王朝の礼楽と文献であり、諸国を訪ね歩いた間に出会ったあらゆる人々でした。つまり、孔子の人生そのものが、真剣な学びの軌跡だったのです。


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