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2018年05月12日

その132 三つの過ち

孔子曰わく、君子に侍(はべ)るに三愆(さんけん)有り。言未だ之に及ばずして言う、之を躁(そう)と謂う。言之に及びて言わざる、之を隠(いん)と謂う。未だ顔色を見ずして言う、之を瞽(こ)と謂う。

【筆者意訳】君子(目上の人)の側に居て犯しやすい過ちが三つある。言うべきでない時に言う、これを出しゃばりという。言わなければならない時に言わない、これを(意を)隠すという。相手の顔色も見ずに言う、これを盲目という。

【ひとこと】この章句は、『論語』季氏編に出てきます。以前にも紹介しましたが、季氏編には”三つの○○”という表現の章句が多く出てきます。今日取り上げた章句も、三愆(三つの過ち)について孔子が語った言葉です。ここ数日はそれらを紹介したいと思います。

「君子」をここでは目上の人と解しました。会社の上司をイメージすれば解りやすいでしょう。
この章句は、立場が上の人と対するときの処し方として、示唆に富んだ言葉ではないでしょうか。意見を求められてもいないのに発言したりすれば、”余計な事を言うな”とたしなめられます。発言を求められても何も言わなければ、”考えのない奴だ”と見られます。その場の雰囲気や上司が何を求めているかを推し量らずに発言すれば、”空気が読めないやつだ”と思われてしまいます。

公の場で、言うべき時に言うべきことを言う。言うべきでない時には発言を控える。その場に相応しい発言をする。この三つは、相応の知性がないと出来ないことです。別の言い方をすると、人は公の場で、この三つの発言の処し方が出来るか否かで力量を図られるものです。ゆめゆめ疎かにすることが無いようにしなければなりません。


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