2018年04月04日

その95 政治の要諦

葉公(しょうこう)、政(まつりごと)を問う。子曰わく、近き者説(よろこ)べば、遠き者来たる。

【筆者意訳】葉公が政治の要諦について尋ねた。孔子は言われた。「領内の者が悦ぶような政治を行なえば、遠方の人達もその評判を聞いて慕って来るようになります。」

【ひとこと】この章句は、『論語』子路編に出てきます。
この章句は、孔子が仕官の道を求めて各国を放浪していた時(62歳頃)のものです。楚(そ)の国の葉県(しょうけん)の長官である葉公との対話です。葉公はなかなか人望のある人物だったようです。

孔子は、”人民が悦ぶような仁政を行えば、人が自然に集まってきて国が発展する。そのようにするのが政治の王道だ”と言ってます。昨日のコラム「徳治政治」で語っていることと同じですね。
反対に人民が苦しむ政治を行えば、人民は国から逃げていきます。現在のシリアや北朝鮮が良い事例です。

この文章は政治だけでなく、家庭にも商売にも当てはまるのではないでしょうか?
家族が円満で明るい家庭には人が寄ってくれます。人寄りのする家は繁栄します。店員が明るくて愛想がいい店には、お客さんが来てくれます。お客さんが沢山来てくれる店は繁盛します。
「近き者説べば、遠き者来たる」は、全てに通じる王道ではないでしょうか。


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