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2018年04月02日

その93 人を批評する前に

子貢(しこう)人を方(たくら)ぶ。子曰わく、賜(し)や賢なるかな。夫れ我は則ち暇(いとま)あらず。

【筆者意訳】子貢は、よく人を批評した。孔子は言われた。「賜(子貢の名)は賢いんだねえ、私は自分の修養で精一杯で、人を批評している暇はないよ。」

【ひとこと】この章句は、『論語』憲問編に出てきます。昨日のコラムで、子貢は人をよく批評することがあったという話をしました。この章句はその事例として紹介します。

「方」という漢字には、比べるという意味があります。ここでは人を比べる=批評すると解しました。
子貢の人物批評の仕方は、孔子から見てあまり好ましいものではなかったのでしょう。孔子は皮肉たっぷりに、”人を批評している暇があったら、自分の修養をもっと熱心にやれ”と言っています。
皆さんの周りにも、人の批評は大好きだけれども、自分のことはからっきし無頓着な人が一人ぐらい居ませんか?その人は周囲から、おそらく、”人の事をああだこうだ言う前に、自分のことをちゃんとしたら”と思われているのではないでしょうか。孔子の言い分と同じですよね。

孔子には『顔淵(がんえん)』という、徳行に秀でた弟子がいました。この人は清貧の生活も苦にしないで自己修養に励んだ人で、孔子もその姿勢をべた褒めしています。ですから優秀な子貢にも、少しは彼を見習ってほしいという気持ちがあったのでしょう。孔子のじくじたる思いが、このような言葉になったのだと推察します。


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