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2017年12月21日

その1 温故知新

子曰わく、故(ふる)きを溫(たず)ねて新しきを知れば、以て師と為るべし。

【筆者意訳】孔子は言われた。古いこと(古典や歴史などの先人の教え)を学んで、そこから現代に通用する新しい意義を見出すことができれば、立派な指導者になれるだろう。

【ひとこと】『論語』為政篇に出て来る章句で(論語の文章の一節を章句と言います。以後この表現で進めます)、「温故知新」の言葉で良く知られている章句です。

『論語』の元となった孔子は、紀元前551年に魯国(現在の山東省曲阜)に生れ、73年の生涯を学びと人材の育成に費やしました。
その目標とする所は、徳に基づく政治による理想的な国家の実現でした。孔子の生きた時代は、春秋戦国時代と言われ、群雄割拠の戦乱の時代でした。その中で孔子は、万民が安らかに暮らせる平和な国づくりを目指したのです。そのために、国の政治リーダーに望まれる高徳な人材を育成すべく、多くの弟子を育てたのです。

徳の高い人材育成の出発点は、「学び」を通して自らの人格形成を図ること、即ち「修身」でした。
孔子にとっての「学び」は、人間の生来の徳性を引き出し発展させることでした。そして、「学び」の源泉を古典(広くは先人の教え)に求め、弟子とともに学んだのです。
本章句は、孔子のそのような「学び」に対する思いが良く表現されている言葉ではなかと思います。

私たちは「学び」という言葉から、学校や塾での勉強やハウツーもののテキストを連想しがちですが、古典や歴史などに綴られた文章の中には、先人の生きた知恵が一杯詰まっています。その中から、私たちが今を生きるためのヒントを見つけ出すことができれば、まさに「温故知新」と言えるのではないでしょうか。


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